Ⅵ 解答者の職歴・職種による注意事項

昇進昇格試験論文やビジネス文章を作成する際の参考になるコラムです。

②技術職・研究職①・・・技術・研究的提案と組織

 一般的に組織内の論作文は、技術畑ではない方が読み手となります。また、組織の一員としてどう考えるか、という視点が、欠かせないものとなります。従ってその内容が、技術的に詳細な方法論であっては、読み手は論旨を理解できないために、「うんざり」感を持つ事になります。さらにあまりに技術的な文章は、組織全体で何が重要であるかということより、担当する個別の業務という、ごく狭い範囲について述べる事になり、組織人の文章として不的確であると判断されます。

 適切な文章とは、技術的な事柄については素人にもわかるように概略だけを示し、それを組織の中でどう実行していくかについて考察したものです。すなわち、技術的な方法を簡潔に提示し、それを実行するために、どう人を動かすかが問題となるのです。

 技術的に、これまでとは違うやり方を提示する(そうでなくては意味がありません)のですから、当然その方法論に疑問を持ち、抵抗する上司・同僚・部下がいるはずです。それを等閑視して方法論だけを説いても、実行できない、あるいは実行しても効果が見込めない対策であるに過ぎません。「自分の仕事は技術のみ、どう人を動かすかは関係ない」と考えるのであれば、それは管理職に向いた人材とは言えず、従って組織としても、昇進させる意味がないというわけです。

 ですから、人を説得し前向きに取り組んでもらうための具体策、あるいはその説得の材料となる、コストと効果の検証、このような事が、仮に技術畑の組織人であっても、組織内の試験で書くべき内容なのです。

 素人にも理解できる自説、その自説の正当性を論証するに十分な、これまた素人に理解できる材料を考え直し、文を全面的に書き改めて下さい。

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