Ⅴ 論旨構成の問題

昇進昇格試験論文やビジネス文章を作成する際の参考になるコラムです。

①根拠のない断定

1) 根拠のない断定、つまり思いこみです。必ずしも、誰もがそう考えるとは限りません。そう言い切れる論拠をお持ちでしょうか。もしあるなら提示すべきですし、「何となくそう思う」程度のことで、このような断定をすべきではありません。

 こうした理由説明のない断定は、単なる思いつきと判断されますから、論作文で提示すべき事柄ではありません。なぜなら論作文はあくまでも「論文」であって、思いつきの羅列でよい「感想文」ではないからです。

2) 論作文には客観性、言い換えるなら「誰もが無理なくそう思うこと」が必要ですが、これを備えるためには以下のいずれかが必要です。

 1つは、太陽が東から昇るとか、盗みや人殺しはいけないとかいった類の、ごく当たり前の常識を備えている事です。もう1つは、多くの人にとって普段は意識しない、あるいは関係がない事柄について、「そう言えるという証拠」を添えてある断定をすることです。論文はそもそも、このような普段の生活とは(やや)離れた事柄について、証拠=論拠を提示しつつ証明するものですから、独断は最も避けなければならないのです。

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