昇進・昇格試験の解答例17

7) 自部署内の協力・他部署との協調力

課題

 〇〇市の管理職として、担当業務以外の協力要請(**クリーン作戦、選挙事務、コロナウイルスワクチン接種業務など)に、自ら積極的に参加することは、組織のために必要な行為か、不必要な行為か、理由とともに800字以内で別紙用紙に記述してください。

文例案―地方公務員(市役所)

 管理職が担当以外の協力要請に積極的に参加することは、市全体のためだけではなく、個々の所属組織のためにも必要なことである。
 第一に、短期間に案件が解決できることである。選挙事務は期日に間に合わなければ、市民の参政権を侵害することになるし、ワクチン接種の遅れは市民の生命に関わる。こうした業務は担当部署の枠を超えて取り組むべきである。
 第二に、職員の一体感が高まり、他部署に対する理解が深まる。肩を並べて仕事をすれば、メールや連絡会議は比較にならない、一体感を生む。これは、災害などの緊急時に市が一丸となって取り組むことを可能にする。通常時でも、優れた業務の手法を学んだり、人事異動があっても即戦力になるといった効果がある。
 また、三点目として市民と接する機会となる。私は現在***に所属しているが、介護施設職員や高齢者およびその家族との応対に限られる。協力要請では、子供や若い者など多様な市民に接することができる。これはどの部署でも同じであろう。
 こうしたメリットがある一方、人員に余裕がない中、自部署以外の業務に労力を割くと、本来業務がおろそかになる、という批判がある。これに対しては、要請を出す側が必要なマンパワーを明確することや、協力する側の管理職が、派遣すべき部下の業務調整を十分行うことで防げる。
 このとき、管理職の役割が重要となる。まずは業務の裁量権がある管理職が、積極的に参加して実情をよく知ることである。そして部下を派遣する際には本人の希望を尊重するとともに、他部署と共同することの重要性を理解してもらい、一部職員に集中しないよう、できるだけ部署全員が均等に参加するように配慮する。
 応援要請が得られなかった部署は長時間残業を強いられ、市役所組織全体の総労働時間は減少しない。自己の所属部署・担当業務という狭い視野に囚われると、組織全体の労働環境は良くならないのである。(800字)

◎ここに示した考え方で、文章例を希望される方は模範文例作成で承ります。

◎ここに示した考え方で、ご自分で書かれた文章の添削を希望される方は実用文章添削で承ります。

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