1) 自部門・自部署への理解
課題
あなたが担当業務を遂行している中で感じている当社の課題は何ですか。あなたが基幹職になったら、それらをどのように解決・実行していきますか。
文例案―住宅建設
建設業界、とりわけ住宅分野は、人口減少などの要因で成長が鈍化している。そのため、この分野を中心に当社の売上は伸び悩んでおり、競合他社との価格競争によって、収益率も悪化している。これを克服するには、他社製品を凌駕する商品の差別化が不可欠であり、これが当社の課題である。
しかし、現在の厳しい競争下で、商品開発に膨大な経費と時間を掛けることはできない。そこで重要になるのは、我々マーケティング部が、顧客の希望を正確に把握することである。そしてそれに基づき、既存商品の更なる販売拡大と、新商品の開発を提案し、当社の課題解決に貢献していく。
○○の担当者である私が、まず手がけるべきは、情報収集である。この分野は小口取引が中心であり、全体的な市場動向が掴みにくい。私はかつて適正在庫を確立するために、売れ筋の確認作業を行った。この手法を部署全体で共有すれば、全ての部員が顧客から確実に情報を得られる。
例えば、近年サイディング塗り替えが増えているが、高意匠サイディングの模様を塗りつぶしたくないといった顧客側の希望がある。これを把握したことが、UVプロテクトクリヤーの開発と販売成功に結び付いた。このように、用途別の細かい動向を正確に抑えることが大切である。
ただし、漫然と質問しても、正確な情報は得られない。そこで、聞くべき要点を私が整理し、部員に周知する。例えば、今後塗り替えを迎える建築は、何年前のものが多くなるのかを予想し、当時の塗装技術、流行を抑えておけば、的確な質問が出来、精度の高い情報が得られるだろう。
ある程度情報収集が進んできたら、その分析に基づき販促物の見直しを行う。今後需要増が期待できる分野では、まずはペイント瓦版を通じて、塗装施工店に関連する商品情報、特に施主へのセールスポイントになる特色を発信する。さらに、色見本帳やカタログも、この分析に基づいて改善していく。これには、単なる商品紹介を超えた、作業マニュアルの性格を持たせる。そうすれば、熟練職人不足に悩む施工業者が、我が社の商品を選択する有力な材料になる。
一方、既成製品で顧客の要望に応えられない場合には、研究部門に情報を提供して、開発を進めてもらう。そのとき、耐久性や発色といった性能面だけではなく、価格や使い易さにも留意してもう。○○は成熟市場であり、飛躍的な性能の進歩は必ずしも要求されていない。施工業者が望むのは、業者間の価格競争に打ち勝つための低価格商品であり、また熟練職人の減少対応した取り扱いが簡単な商品である。
以上の取り組みの時間を確保するには、業務の効率化が必要になる。このため、部員の情報交換を密にする過程で、顧客からクレーム対応などで体験の共有を図る。さらに、部員がお互いの業務状況を理解して、担当者以外対応できないといった属人主義を解消していく。(1181字)
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