お客様との対談(社会人・就職活動中の方より)

 wieの添削を受けた坂木良次さん(仮名)。現在は都内の出版社に勤務しています。
 坂木さんの就職活動について、wieスタッフ高田と対談して頂きました。


高田: お久しぶりです。お仕事の方はいかがですか?

坂木: その時はお世話になりました。今は毎日毎日覚えることばかりで…まだ編集者になった実感がわかないんですよ。

高田: そんなものでしょうね…
そのうち目が回るほど働かされますからちゃんと実感わきますよ(笑)。

坂木: (;^_^) 覚悟しておきます…。


高田: そもそも出版社を志望したきっかけは何ですか?

坂木: 何か面接みたいですねぇ(笑)。
もともと本を読むのが好きで、物書きになろうかと思ってたんですよ。でもいきなり作家なんて難しいし、食べていけないんじゃないかと思って。
そこでまぁ編集者にでもなって、文章修行しながらコネをつかもうかという不純な動機で、出版社志望にしたんです。大学が一流どころじゃなかったですから、難しいかな、とは一瞬考えもしましたが、まぁ何とかなるだろうと。

高田: いや別に不純じゃないですよ。
仲間内でもそういう動機で編集者になった奴いっぱいいますし。
ところで、就職活動はうまくいってたんですか?

坂木: ぜんぜん。wieにお願いしたくらいですから(笑)。
ちゃんとした小説なんかと比べて、字数も少ないし、エントリーシートなんて簡単に書けるだろうとなめてたんですが、これがちっとも書けない。だいたい、まとまって文なんか書いたこと無いから、書きようもないんですね。

高田: それで作家志望なんて…。

坂木: まぁそれは忘れて下さい(笑)。
それで、マニュアル本のたぐいを参考にして、何とかかっこうだけはつけて書きました。セミナーにもきちんと行きましたし。
これで何とかなるだろうと考えてたんですが…。

高田: 何ともならなかった。

坂木: キツイっすね(笑)。
でもそうなんです。出すとこ出すとこみんな不採用ばっかしで、こりゃぁさすがにマズいぞと。

高田: 確かにそうでしたね…
坂木さんの最初の答案文見て、私も「こりゃだめだ」と思いましたもん。

坂木: やっぱりそうでした?
コメントにはそこまで厳しいこと書いてなかったような…。

高田: そりゃそうですよ。
いきなり「ダメです」なんてコメントしたら、みんなやる気なくしちゃいますから。でも本当は、これでは難しいなと思ったんですよ、今だから言えますが。
自己PRも志望動機もありきたりだし、どっかで見たようなこと書いてあるし、変換ミスの誤字までありましたよね。

坂木: ははは。

高田: まぁ本当に出すときはちゃんと読み返すから、
誤字脱字は心配ないとしても、坂木さんの場合は、「この文で何を訴えようとするのか」という根本が間違ってたような気がします。

坂木: 細かく言うとどういうことだったんですか?

高田: 添削コメントに書いたでしょう(笑)。
つまりね、書くべきは「私は御社にとっておいしい人材です」ということであって、「いよっ!御社は偉いっ!」ということでも、「私はこんな人間でね、捨て猫拾ったりしてね、とっても心が優しくてね…」ということでもないんです。
企業はお金儲けするところであって、社員は金稼ぎのために雇われるんですから、極端に言っちゃうと、凶悪だろうが冷血漢だろうが、適性があって、使いやすくて、ちゃんと稼いでくれさえするならそれでいいんです。

坂木: まぁそれはそうですが…
最初に添削でそうコメントされたときは、何だか高田さんは血も涙もなくて、悪いコトのすすめでもしてるのかと思いましたよ。

高田: とんでもない! 見りゃ血も涙もあるでしょう?
それに、「明日提出ですのですぐ見てください!!」って夜中の2時に出してきたのを、1時間後には添削して返してあげたじゃないですか(笑)。

坂木: あ、そういえば。その節はどうも。

高田: いやあの時はたまたま仕事してて、
メールを見ることができたからなんですけどね。
…それはともかく、現実がこうだからみんなもこうなってしまえ、なんて言うつもりはないんです。むしろ、理想ではそうあってはいけないと思ってるんです。でもね、現実の社会がそうなら、とりあえず入るときだけはそのふりだけでもしないと、なかなか難しいんです。
本当はね、「こんな現実間違ってる。なんとかしなきゃ」と考える若い人たちが、入った後でアクションを起こしてくれることを願ってるんですよ。まぁ、それは私の願望であって、押しつける事はできないんですけど。
まぁそれはおいといて、とりあえず志望の企業に入る、それもできるだけ楽して入るには、今言った方法が一番いいと思って、添削受講のみなさんにアドバイスしてるんです。

坂木: 僕も添削受けたら、すっと今の会社に通りましたしね。

高田: それはまぁ、坂木さんの力量もあったし、
運も味方してくれたからなんですけどね。だいたい就職は異性をくどくのに似てて、なかなか決まらないこともあればあっさり通ることもあるものですから。
でもね、受講したみなさんから「目からウロコが落ちた」「なかなか決まらなかったのに受かりました」というメールをもらうと、こちらも本当にうれしいんですよ。
実はね、お勧めしているエントリーシートの書き方や、面接の作戦なんかは、ほとんどみんな、私やwieのスタッフが、実際にやってみてうまくいった例から引き出してるんです。ですから、ちゃんと指示通りにやってくれさえすれば、運さえ引き寄せられればちゃんと通る、とふんではいるんですが。

坂木: そうなんですか?

高田: ええ。お金をもらうからには、
いい加減なことやってはいけないと考えてますから。
私もそうですが、編集者なんてのは渡り職人もいいところで、けっこう転職したりすることがあるんですね。結果として就職活動の場数を踏みますから、「どうやったら通るか」なんてことは心得てるんです。それに私の場合は、いろんな職業を転々としましたし、人事で採用の仕事もしたことがありますから、採る側が何を考えてるのかということも、一通りわかった上で添削してるんです。

坂木: それでしつこく、僕の文に
「これは企業側が喜ぶ話じゃないからダメ」って赤字入れてたんですね。

高田: そうそう(笑)。
だって、坂木さん最初は中身のない精神論ばっかしで、ちっとも説得力なかったですから。

坂木: それじゃだめなわけですよね(笑)。


高田: それはそうと、何でwieで添削を受けようと思ったんですか?

坂木: さっきも言ったように、最初は独力で書いてたんですよ。
ところが全然ダメで…。ちゃんとマニュアル本の通りに書いてましたし、自分ではまずいこと書いた覚えもなかったんですが…。
どうもこれは根本的に何か間違ってるんじゃないかと思いまして、ネットで情報集めたんです。そしたらwieが引っかかって、お願いしたわけです。

高田: でもよくもまぁ、ウチへお金払う気になりましたね。

坂木: なんででしょうね(笑)。
確かに「タダで添削!」なんてところもあったんですが、いつ返ってくるかわかりませんでしたし、まともな赤字も入ってなかったんですよ。「個性をもっと出しましょう」とか、「これでいいんじゃないですか」とか適当なコメントだけで。そんなこといわれても、じゃあ具体的に何がいけなくて、どうやったら個性が出せるかなんて、わからないんですよ。お金払った訳じゃないですから文句も言えませんし。

高田: そりゃそうですね。
だいたい、ちゃんと添削して、相手のためになるようなコメントつけてたら、いくら暇があっても片手間じゃできないですからね。

坂木: wieで添削してもらって、本当にそれがよくわかりましたよ。
実際今、会社で原稿をいじる手伝いをし始めてるんですが、
人の文章読んで、何を言いたいのか考えるのって、すごい時間がかかるんだと実感してます。

高田: え? 入ったばかりでもう原稿いじらされてるんですか?
…そりゃキツイなぁ…。

坂木: 鍛えてもらってますよ(笑)。


 坂木さんは添削受講後、シンクタンクからも内定をもらいましたが、結局初志を貫いて現在の会社に入社しました。
 これからは編集者として、それはそれで厳しい毎日が続くでしょうが、坂木さん、どうかがんばってください。