5) 社員能力の向上・人材の育成
課題
当社はXX年経営計画において持続可能な「人材育成」を基本方針のひとつとしているが、あなたが課長職になったら、どのような人材育成や組織マネジメントを行い、持続可能な「人材育成」を実現するか、これまでの経験をふまえて記載せよ。
文例案―不動産業
私の所属する○○営業部は、XX年経営計画の示す3つの条件のうち、「都市計画」分野で、具体的な事案の立案・実施を担当する。そこで必要なのは、第1に当該地域に対する当社ビジョンと基本戦略を正確に理解することである。次に地元の正確な不動産情報を数多く収集することである。第3に、全社的な戦略と個別案件を結びつけて、最適解を導き出す能力、そして第4に、最適解をお客様に理解していただき、採用してもらう交渉力である。
「人材育成」でも、こうした多岐に亘る能力の育成が求められる。そのためには、段階的に教育する必要がある。しかも、抽象論・一般論ではなく、具体的な現状に即した能力でなければならない。そこで現状を肌で学べるOJTを主力として、しかも基礎から徐々に複雑なものへ進む体系的な指導が望ましい。また長期的な企画が多いので、その間のモチベーションの維持も重要である。
そこで、初年度には、成約の近い案件の最終段階を任せることで成功体験を持たせ、基本的な知識を学びながらモチベーションを高めるようにしている。次年度以降は同行営業などを通じて複雑な業務に触れさせている。さらには、頻繁に打ち合わせや相談をすることで、仲間と仕事をしている意識を持たせつつ、個々の業務の役割と複数業務の関係性の把握をうながすことができた。
組織マネジメントでは、業務の属人化を克服し、いわゆる見える化を進める。かつて私自身、自己完結型の態度を取っていた。しかしこれは、多くの要素を考慮せねばらない「都市計画」には、非効率な業務方針である。そこで部署内はもとより、他部署さらには社外にも協力者を求めるようにした。その結果、現在では複雑な案件にも迅速かつ正確に対応できるようなったと自負している。
しかし、課長職となれば、協力体制を個人ではなく、部署全体で拡大していく仕組み作りが必要である。今後さらに深刻化する人手不足のなかで、多様な経歴や勤務形態の社員が増えていく。それに対応して、現在以上に業績を拡大することが、持続可能な組織運営といえる。
具体的には、現在の業務手続きを文章化する。また業務で得た情報を、行政、地域団体、不動産所有者個人などの分類基準で整理し、全員が利用しやすくする。特に情報整理では、他部署や社外の利用にも配慮する。担当者がいないので問い合わせに応えられない、といったことが減れば、業務の効率化だけでなく、当社への信頼も高まる。
さらに、業務スキルや情報が共有できれば、育児・介護で休職した人の復帰、他部署からの異動・中途採用なども容易になる。これは働き方改革に対応するとともに、中途退社の予防、人材の育成にも有益である。
以上の施策と並行して、私自身は企画部門への情報提供、あるいは蓄積された預かり資産を活用した新業務の提案など、基幹職に相応しい業績貢献をしていく。(1181字)
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