添削の特徴

添削のプロセス:完成度を高める工夫をしています。

1.答案のチェック・添削者の選択

到着した答案は、まず事務的なチェックが行われます。

問題がなければ、課題に応じた適切な主・副添削者を選択し、答案の到着順に、主添削者へ送られます。

2.主添削者による添削

答案を受け取った主添削者は、受け取り順に添削に取りかかります。

まず全体を通読して誤字・脱字をチェックした後、問題を精読し、答案が設問の要求や課題文の論旨に沿っているか検証します。

3.副添削者によるチェック

主添削者によって一旦完成された添削は、副添削者へと送られます。

副添削者は、主添削者と同様の作業を行ったあと、主添削者のコメントをチェックし、十分な指導が行われているかどうかを確認します。

4.両添削者の討議

副添削者のチェックが済んだ添削は、主添削者に戻されます。

両者の間で意見が異なる時には、協議によって最適のコメントを追求します。

5.お客様へ発送

完成した添削は、添削補助員が最終チェックを行い、添削日などを記帳したあと、お客様へお送りします。

6.個人情報の保護

作業の途中で生じた文書類は、全てシュレッダーにかけて処分します。

またデータ類も、高度に防護された専用サーバ機に保管し、万一の個人情報漏洩を抑止します。



添削のポイント:6つの視点を重視します

1:小論文とは何かについての理解

基本的な誤解があれば、コメントを入れます。

例:

「小論文とは何か」について、基本的な誤解があります。
小論文の書き方とは、次の通りです。1)まず課題が与えられたら…。2)次に…。3)次いで…。4)それでも字数が余ったら…。小論文とは、たったこれだけの作業です。この「書き方の筋道」を知らないと、みなさん苦労することになるのですが、ちゃんと手順を踏めばそれほど悩ましくもありませんし、時間もかかりません。

2:全体の評価

「合格圏かどうか」、「設問・課題の条件をクリアしているか」、また「志望先に適しているか」という視点から答案を検証し、コメントします。

例:

課題文をよく理解し、おおざっぱには設問の規定を守っていますから、このままでも非難関校なら、合格した可能性のある答案です。しかし、早大法学部の答案としては、残念ながら採点対象外=0点とせざるを得ません。
最大の理由は…。改善の方針は…。

3:修辞上の誤り

「誤字脱字・国語的な誤り」、「言葉・表現の誤用」、「不適切な表現・文章構成」について、コメントを入れます。

例:

アンケートでてる出る程度の情報を
ネズミ捕る

巧言令色剛毅木訥仁に近しaと言えるほど立派
a:「巧言令色鮮し仁」は「上手におべっかを使う人は信頼できない」を意味します。

a:段落を改める際の原則は、あくまでも「書き込んだ内容」=「書く前に頭の中で整理した視点や問い」が変わる箇所で入れる、と心得てください。無意味に改段するのは、読み手が文の論理を把握するのを妨げ、かえって有害です。改善の方針は…。

4:論理上の誤り

「小論文に必須の要素が入っているかどうか」「論証の手続きは適切か」という視点から答案を検証し、コメントします。

例:

a:原文のままですと、この言葉が何を指すのか曖昧になっています。
様々な意味に取りうることばを論作文で用いる際、必ず「これはこういう意味で使っているのであるぞ」と、読み手に説明しておかなくてはなりません。そうでないと、読んでも意味がわからないからです。これを「概念規定」と言いますが、幅広い意味を持つことばの意味を限定し、具体的に何を指しているのかを説明することは、論旨明快な小論文を書くためには必要です。

a:自説に対する論証がありません。代わりに設問とは関係ない体験談を長々と述べてしまっています。これでは、「設問を理解していない」「その結果書く事がなくなって、余計な事を書いている」と判断されてしまいます。改善の方針は…。

5:知識上の誤り

「答案に用いた知識に誤りがないか」「知識が不足していないか」という視点から答案を検証し、コメントします。

例:

a:事実関係として不正確です。アメリカは単独行動主義とはいえるかもしれませんが、イギリスなど多国籍軍に参加した国は他にもありますので、「単独」とはいえないでしょう。改善の方針は…。

a:事実認識に誤認があります。確かに「リベラリズム」については、敗戦後に導入されたと考えても、誤りとは言えません。しかし「立憲主義」は、大日本帝国憲法の成立を以て、そして「民主主義」は、普通選挙法の成立を以て導入されたと考えるべきでしょう。また、「人権」は定義が難しいですが、旧憲法が罪刑法定主義を取り、「臣民権利義務」の章を立てている以上、人権が「無かった」とは言えないでしょう。参考までに条文をいくつか挙げておきます…。改善の方針は…。

6:筆記の適否・採点側/読み手への配慮

「文字は丁寧に記されているかどうか」「相手の立場で文章を考えているかどうか」という視点から答案を検証し、コメントします。

例:

a:無用の説明です。読み手も十分に知り、世間でもよく言われているような当たり前の常識は、読み手の「うんざり感」を誘うこと請け合いであって、これまた他者に読ませるには値しません。
しかも相手は法学教授ですから訴訟に刑事と民事があることなど、もとより承知しているはずです。改善の方針は…。