〜AIだけにたよった昇進昇格試験答案が、構造的に「落ちる」理由〜
ChatGPTなどの生成AIは、文章作成のパラダイムを変えました。しかし、AIを使いこなして合格を勝ち取る人と、AIに頼って不合格になる人の間には、越えられない壁があります。その違いを構造的に解説します。
➀AIの得意・不得意を理解しているか
AIは「平均的な正解」を出すのが得意です。しかし、選考とは「その他大勢からの差別化」です。AIが生成する文章は、文法的に正しく、構造も綺麗ですが、どこか「無機質」で「手触り感」がありません。なぜなら、AIにはあなたの痛みや、現場の汗、葛藤という「生きたデータ」がないからです。
②AIを使ってダメな人の特徴:素材の丸投げ
問いをそのままAIに投げ、出力された回答を少し手直しして提出する。これが「落ちる人」の典型です。この方法で作られた答案は、複数の受験者が同じような回答を出すため、採点者から見れば「どこかで見たような、ありきたりの文章」として一瞬で見抜かれます。
③合格する人のAI活用術:AIを「鏡」として使う
「AIを使っていい人」は、まず自分で「素材(事例・エピソード)」を書き出します。その箇条書きをAIに渡し、「論理的な矛盾はないか?」「この文章から読み取れる私の強みは何か?」と、テニスの練習で言うなら壁打ちをします。AIを「執筆代行」ではなく「編集者」「アドバイザー」として使うのです。
構造的な不備をAIに指摘させ、魂(素材)は自分が込める。このハイブリッドな手法こそが、現代の文章術における最適解です。
④上位の昇進昇格試験では、AIを超えるメタな批判が必要
部下に業務命令を発することのない、主任程度の昇進・昇格試験であれば、自分の仕事を見つめているだけで合格可能です。AIとの壁打ちで、かなりの高得点が可能でしょう。
しかし、ある程度業務を変更をする権限を持つ上位の職種でしたら、今までの業務を別の次元から考え直す能力が必要になります。現在のAIは、いままでの業務を時には全否定するようなコメントは得意ではありません。
新たな視点を与えてくれる経営学書を読む、あるいは他業種を含む答案を多く見てきた経験豊富な添削者の意見を聞く、といった対策が必要になります。