「すごい体験」より「伝える力」ーー推薦・総合型選抜で問われる“もう一つの力”とは?

推薦・総合型選抜で問われる本当の実力とは

 推薦・総合型選抜の入試において、近年ますます重視されているのが志望理由書や自己アピール文などの提出書類です。こうした書類を添削していると、「生徒会長を務めた」「部活動で表彰された」「海外での研修に参加した」といった、実に多彩で立派な経験が書かれているケースに出会います。
しかし、こうした書類の多くが「実績を挙げるだけ」で終わってしまっていることも事実です。

経験を並べただけでは、「だから何?」で終わってしまう

 受験生の多くは、「何をやったか」「どんな成果を得たか」に焦点を当てて書類を構成してしまいがちです。しかし、大学側が本当に知りたいのは、以下のような点です。
・その経験を、受験生自身がどう捉えているか
・そこから何を学び、自分の中でどんな変化があったか
・そしてその経験が、なぜこの大学で学びたいという志望動機につながるのか

実績の大きさよりも、その経験の「意味づけ」や「論理的な整理」が問われているのです。
たとえば、生徒会活動で得た経験を、単なる「役職経験」としてではなく、どういった課題を発見し、どのように解決に取り組んだか、そのなかで自分がどう変化し、何を学んだかという形で語ることができれば、読み手に与える印象は大きく変わります。
そのため、吹奏楽部部長ではなくパートリーダーを努めた、自宅近くのこども食堂を半年ほど手伝った、といった華々しいとは言えない活動を取り上げて、難関大学に合格された方もいます。

体験の大きさ × 自分なりの考察 = 説得力

体験そのものの「希少性」や「派手さ」に頼る必要はありません。
むしろ、ありふれた経験でも、それを丁寧にふり返り、自分の言葉で語ることができる人の方が、書類選考・面接の場で強い印象を与えることができます。
この意味で、志望理由書の作成は「自己理解を深める機会」でもあります。
日々の経験を見つめ直し、そこからどんな価値を見出し、将来にどうつなげようとしているのか―その一貫した論理と視点こそが、推薦・総合型選抜で問われる力です。

書類作成の第一歩は「伝える準備」から

WIEでは、志望理由書や自己アピール文の添削指導において、「実績の列挙」ではなく「意味の言語化」に重点を置いたアドバイスを行っています。
文章の構成はもちろん、どのエピソードを主軸に据えるべきか、どうすれば説得力が増すのかを丁寧に指導いたします。
「特別な実績がない」と思っている方も、まずは自分の体験を整理するところから始めてみましょう。意外なところに、あなたの強みや将来へのヒントが隠されているかもしれません。