Ⅵ 解答者の職歴・職種による注意事項

昇進昇格試験論文やビジネス文章を作成する際の参考になるコラムです。

③技術職・研究職②・・・組織全体の視点と解答者本人の役割

 昇進昇格試験を作成するときにも、一番大事なことは、「所属組織にとって利益となる提案をすること」が先決です。非常事態であれば、部下や自分のリストラや出向が求められることもあるでしょう。

 二番目に大事なことは、答案に示した施策を実施することで、解答者が所属組織の中で居場所を得られるようにすること、またできるだけよいポジションを得られるようにすることです。これは、出世することや、好みの部署に異動することです。

 技術者として、長年携わってきた技術に愛着と誇りがあったとしても、上記二つを満たせないのであれば、長年携わってきた技術と関わるのをやめる決断がある年齢で迫られることになる場合がほとんどでしょう。技術の進歩は著しいものがあり、花形の技術がいつの間にかそうではない技術になってしまうことが大変多いのです。

 もちろん、出世を望まず、給料が減っても構わないというのであれば、長年携わってきた技術にしがみつき、現在の状況に甘んじても(いずれリストラ候補になってしまうかもしれませんが)構わないでしょう。あるいは、技術を生かせる他の企業に転職するというのもひとつの方法です。人生の選択肢は複数あります。

 このように他の選択肢もあるわけですが、解答者が所属組織の中で出世を望むのであれば、長年携わってきた技術にしがみつき過ぎてはいけません。長年携わってきた技術にしがみつくのであれば、その技術を重視することで、所属組織にどれだけ利益を与えることができるのかを広い視点・経営の視点から説明する技術を磨かなければなりません。所属組織の利益を軽視しており、技術者としての居場所を確保したいことだけが答案からにじみ出てしまっては、昇進候補になることはないのです。

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