Ⅴ 論旨構成の問題

昇進昇格試験論文やビジネス文章を作成する際の参考になるコラムです。

⑥文の構造・論理のねじれ

 主部と述部が、正しく対応していません。

 文章を書き慣れていない方がよくしてしまう失敗のうち、文章構造について最もよく見られるのはこのような「文の構造・論理のねじれ」です。つまり文章の主部(主語)-述部(述語)の関係や、修飾語-被修飾語の関係を記述する際、文法的に破綻してしまうことです。

 文章のうち、最も単純な形は、主部も述部も「1つの事柄」だけで出来ていて、その関係も主部-述部1つだけ、というものです。これを「単文」と言いますが、慣れないうちは出来るだけ単文で書くように心がけるべきです。

 にもかかわらず、重文(「AはB、CはD」のように、単文を「、」でつなげたもの)や複文(「AがBしているのはCだ」など、主部や述部そのものが複雑な構成になっているもの)を安易に用いてしまうと、おかしな文となって失敗してしまうのです。

 この原因は3つあります。1つめは、「自分は何を述べようとするのか」を、思いついたままに書こうとすることです。思いつきの段階では、述べようとする複数の事柄それぞれの間の関係は、なんとなく「あいまい」になっているはずです。それはおおかたの場合、「イメージ」すなわち「映像」になっています。それを適切に整理しないまま、直にことばへ変換しようとすると、つい「物事の相互関係」が曖昧なままで書いてしまうのです。

 2つめは、書いた後読み返さないことです。もう少し言いますと、「イメージ・映像」→「文章」へと変換した自分の文章を、「文章」→「イメージ・映像」へと逆変換することなく、なんとなく読み返しているからです。面倒でも読み返しの際は、DVDを頭の中で再生するように、「文章」=媒体→「イメージ・映像」への変換が必要なのです。

 3つめは、複数の文をつないで1つの文とする際、間をつなぐ適切な言葉を選ばない、ないしは全く用いないことです。

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