Ⅴ 論旨構成の問題

昇進昇格試験論文やビジネス文章を作成する際の参考になるコラムです。

③文脈のとぎれ

 文脈がとぎれています。適切なつなぎの言葉(文法用語に言う「接続詞」だけではありません)を用いてくっつけることが必要です。観念(=「これを書こう」という思いつき)は他の観念と関連づけませんと、概念(=他の思いつきと結びつけられた、文中で取り上げたものごと)にはなりませんが、文もこれと同じで、おのおのの文が適切に結びつけられていなければ、文章にはなりません。従って、前の文あるいは段落と、後の文あるいは段落がどのような関係になっているかを、つなぎの言葉を用いて読み手にわかりやすく説明しなくてはならないのです。

 例えば、「今日は快晴だ。収入印紙を買う」という2つの文は脈絡がなく、文章とは言えません。しかし、「今日は快晴だ。(先日申請したパスポートを受け取りに行くには都合が良いので、そのための)収入印紙を買う。」ならば、2つの文の関係が見えるようにつながっていますから、文章といえるのです。

 このように、文同士、段落同士が適切につながって、一連の流れがあることを「文脈がつながっている」と言いますが、達意の文となるにはこの作業が不可欠なのです。

 そもそも、すべての文(文章内の各一文)、ならびに段落は、必ず直前もしくはそれ以前の記述と結びついていなくてはなりません。これを軽々に考えないで下さい。自分がわかっていることと、読み手に読み取れることとは、全く異なります。同時に、読み手に読み取れるよう記述を整理し、配置することが、とりもなおさず状況の整理=自分で理解すること、にほかなりません。読み取れないような文を書くということは、自分でも、そのものごとを正確に把握できていないことを意味するのです。

 前後の関係をよく考え、それらをつなぐ、適切な言葉を補って下さい。

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