合格者の添削例(早大)2

匿名希望さん 早稲田大学第二文学部

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一見、課題文を適切に読み取れているようですが、要約の部分(e)、自説の部分(f以降)をみると、課題文の内容を「ふまえて」いないため、やはり読み取れていないという事になります。従って残念ながら、採点対象外になる可能性が非常に高いと言えるでしょう。
まずf以降についての問題ですが、「課題文をふまえて」というのは、「課題文に関係のありそうな事を勝手に論ぜよ」という事では全くありません。課題文の取り上げている論旨について理解し、自分はどう思うかを書けという事なのです。今回の場合、設問の規定として「現代日本の礼」が付け加わっていますから、「課題文の取り上げている、礼についての考察を現代日本に当てはめ、論ぜよ」ということなのです。
課題文筆者は、「礼」の行われ方や、その存在の有無を論じているのではありません。しかしfはこれを論じています。そうではなく、筆者は「礼」の持つ精神的意味について論じているのです。
筆者のいうところは究極的には2つあり、1つは筆者と同時代の日本の礼儀が無意味ではない事、もう1つはその礼儀がどのような精神的背景を持つかを論じているのです。eの要約では、前者は述べられていますが後者は見られません。従って、課題文の重要概念を取りこぼしているという事になります。

e、fについての全体の改善方針は、以上の通りです。従ってどちらも、全面的に書き直す必要がありますが、どうやら文章を正しく読み取る事が苦手のようですね。しかし早大は、添削者が受けた大昔も今も、難解な課題文を読み取る能力を、必須条件に掲げる大学です。

これは早稲田大学の、どの文系学部も同様ですが、文学部は一層そうです。「自分は筆一本で食っていく」ぐらいの気概と能力がないと、入れてくれませんし、事実文学部の学生には一文二文を問わず、そうした心意気があったものです(今はどうか知りませんが)。
その気概の裏打ちは、これまで沢山の本を読んできたという実績に支えられており、例えば岩波文庫に入っているような作品の10冊や20冊は、高校までに買って読んでいるのが当たり前でした。

この点ご自身が今どうかどうかはわかりませんが、挑もうとしているところがどのような場であるか、少しはおわかりいただけるでしょうか? もしそうでないなら、これは仕方がない事なのですが、せめて丁寧に課題文を読み取る事を、心がけて下さい。時間が無く焦るかも知れませんが、時間がかかっても良いですから、じっくりと課題文を読む練習をしましょう。自力で合格答案が書けたという成功体験を、受験までに是非一度持って頂きたいのです。


個別のコメント

a:設問に特に規定がない限り、「筆者」を用いるのが作法です。
b:読点(、)をどこで用いるか、との原則は難しいところですが、文脈が変わる箇所、主部と述部の間、目的語(「~を」で終わる部分)の後には入れておくのがセオリーです。また、一文の中で一カ所も読点がないのは、読み手に対する配慮を欠きます。よほどの短文でない限り、1つは入れておきましょう。
c:無用な記述です。
d:前後のつながりが悪くなっています。文と文の間には、適切な接続語を補い、双方の関係を明らかにする必要があります。これは、関係が言うまでもなく明らかである場合を除いて、論旨明快な論作文の鉄則です。
e・f:上述。
g:段落を改める際の原則は、あくまでも「書き込んだ内容」=「書く前に頭の中で整理した視点や問い」が変わる箇所で入れる、と心得てください。無意味に改段するのは、読み手が文の論理を把握するのを妨げ、かえって有害ですが、文脈が大きく転換しているならば、躊躇せず改段することが必要です。なおこれによって改段が必要以上に多くなるということは、すなわち取り上げた個々のものごとをを、十分論じていないということに他なりません。


上記コメントを参考にして答案を修正し、再提出して下さい。

西早稲田教育研究所
担当 高田正継

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