合格者の添削例(岩手大)

匿名希望さん 岩手大学農学部獣医学科

・添削本文(非公開)※添削コメントのみご覧になれます。






非公開


・添削コメント

全体のコメント

提出して頂いた答案を拝見しました。初めての提出としては高い水準の解答です。誤字脱字や、主語と述語の不一致といったものがほとんどなく、基本的な国語力に問題はありません。しかし、小論文の解答としてみた場合には、課題文と設問の読み取りが不足しているために、合格圏外の答案になっています。

設問は、「生き物を食べる」ということに関して解答者の見解を述べるよう要求していますが、提出された答案では、先進国の人々が「動物保護・愛護」することの素晴らしさを述べることが解答者の主張の中心になっています。このままでは、設問の要求と関係ない(採点対象外=0点)と評価されてしまいかねません。
課題文の筆者の主張に同意する必要はないのですが、「生き物を食べる」とはどういうことか、正面から議論するようにして下さい。設問の要求に応じることができないと致命的な減点をされるので、十分注意して下さい。

また、課題文の読み取りにも問題があります。課題文では、動物保護・愛護運動を支える都市部の人々の精神構造に問題があることを指摘していますね。それは生物を「食糧」と「愛護・保護する対象」の二つにはっきりわけていることから生じる問題です。トンガの人々も生物を食料として食べるわけですが、課題文に「動物や魚を無駄にするってことも無いんですよね」とあるように、食べ物を粗末に扱うことはないわけです。一方で、先進国に住む我々は、大量生産大量消費の世界に生きており、食べ物を粗末に扱っているのではないでしょうか。先ほど、都市部に住む人々が生物を「食糧」と「愛護・保護する対象」の二つにはっきりわけていると述べましたしたが、これは生物を「粗末に扱う対象」と、「大事に扱う対象」にわけているということでもあります。
提出された答案では、食糧として生物を見ることを「…価値観」だと述べていますが、それは「食糧」と「愛護・保護する対象」の二つにわけたときに初めて成り立つ価値観であり、トンガの人々のように、生物をこのように区別していない人々にとっては、食糧として生物を見ることが、必ずしもそのような価値観とはいえないことに注意して下さい。


個別のコメント

それでは、提出された答案に対してコメントを記していきましょう。
■ 答案に書き入れました赤字が改善すべき点です。abc……の記号に対応するコメントは下段に記入してありますのでご参照下さい。記号のない箇所については,単純な誤記や分量調節のためのものです。

a 以下の議論は、設問の要求から外れています。「生き物を食べること」について正面から論じて下さい。
b これは誰が決めた使命なのでしょうか。キリスト教では確かにそのような記述が見られますが、全世界で認められている価値観だとは言えません。もし、このことを主張するのなら、その根拠もセットで説明する必要があります。
c 提出された答案では、食糧として生物を見ることを「…価値観」だと述べていますが、それは「食糧」と「愛護・保護する対象」の二つにわけたときに初めて成り立つ価値観です。トンガの人々のように、生物をこのように区別していない人々にとっては、食糧として生物を見ることが、必ずしもそのようにはいえないことに注意して下さい。上記コメントでも述べたように、我々とトンガの人々では、「食糧として動植物を扱ったときの意味」が異なっており、解答者が今まで育んできた価値観だけで解答するわけにはいかないのです。課題文に同意する必要はないのですが、設問や課題文と対話しながら、答案を作成するようにしましょう。


上記コメントを参考にして答案を修正し、再提出して下さい。

西早稲田教育研究所
担当 中島泰平

・講座開始のご案内 (2017/5/12)  ≫詳細