合格者の添削例(看護大)

A・Nさん 神戸市看護大学

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全体のコメント

初めての提出としては高い水準の解答です。誤字脱字や主語と述語の不一致といった問題はほとんどなく、解答者の基本的な国語力が高いことが感じられました。それだけではなく、普段から深くものを考えていることが感じられる答案になっています。
ただし、小論文入試の「答案」としてみた場合基本的な問題がいくつかあるため、WIEの基準では「合格圏」の答案にはまだ至っていません(WIEでは答案に対して厳しい合格基準を設けています。詳しい説明は標準テキストの5ページを参照して下さい)。
特に、合格圏となりますには、以下の4点の改善が必要です。

①制限字数を守る
②課題文の論点と、自説の見解の関係を説明する
③論拠が、自説全体を支持するようにすること
④自説のうち、重要な主張と、そうでない主張を区別して、重要ではない主張は短くまとめる

まず①についてです。いくら、模範解答のように素晴らしい内容の答案を書いても、制限字数の条件を満たさなければ採点対象外(=0点)です。N様の場合はおそらく普段から深くものを考えていらっしゃるでしょうから、書くことがなくて困るということはないでしょう。しかし、字数制限を超過してしまってはいけません。「○○字以内」とあれば、その9割以上10割以内に収まるようにし、「○○字程度」とあれば、9割~11割以内で書くようにしましょう。大事な数字なのでよく覚えておいて下さい。今回の場合は「600字程度」とありますから、540文字~660文字で答案を作成することになりますね。

次に②についてです。高く評価される小論文を作成するためには、課題文と設問をよく読み、出題者の意図を正確に把握することが重要になります。課題文の最重要概念(課題文の論点)である「サイエンス」と「アート」を答案に盛り込むことができたので、この点で高く評価できます。
しかし、N様の主張である「人権を尊重する医療」と、「サイエンス」・「アート」との関係が不明確です。おそらく「サイエンス」と「アート」の両方が優れていないと、人権を尊重する医療は施せないと主張したいのだと思われますが、そう主張するためには、人権のどの部分が「サイエンス」に関わり、どの部分が「アート」と関わるのか説明するべきです。

続いて、③についてです。②で触れた「人権を尊重する医療」(N様の主張)と、「サイエンス」・「アート」の関係を述べることが、もっとも重要なのですが、これと同時に重要なのは、「人権を尊重する医療」がなぜ必要なのかを説明する論拠です。人権を尊重しないが故に、治療が失敗した骨粗しょう症患者の例を説明した提出答案の例がそれに相当します。但し、この例は、「アート」の重要性を示す論拠にはなっているものの、「サイエンス」の重要性を示す論拠にはなっていません。「サイエンス」も重要であると主張するには、別の論拠が必要になるでしょう。

最後に④についてです。②と③で触れなかった点は論文の核にはならないので、短くまとめて結構です。例えば、「人権を尊重する医療」が「愛の実践をする医療」の代替物であるといった主張です。

個別のコメント

それでは、提出された答案に対して具体的な改善コメントを記していきましょう。これを参考に、再提出に取り組んで下さい。
■答案に書き入れました赤字が改善すべき点です。abc……の記号に対応するコメントは下段に記入してありますのでご参照下さい。記号のない箇所については,単純な誤記や分量調節のためのものです。

a 段落冒頭は一文字分の空白を設けましょう。長文を書く際のルールです。メール本文やメモ帳で文章を作成して提出して頂く場合でも、これは必ず守って下さい。
b 「愛の実践」はこの論文の中では重要な概念ではありません。短くまとめるか、削除して下さい。
c 人権の概念は時代とともにかわってきていますし、人によって定義が異なりますので、ここで説明しなおしていることは評価できます。それぞれの項目が、サイエンスとアートのどちらと関係するか説明できれば更によくなりますね。
d アートの重要性を示す論拠にはなっていますが、サイエンスの重要性を示す論拠にはなっていません。サイエンスの重要性を示すには別の論拠も必要になるでしょう。
医療の中でサイエンスが関わる行為と、アートが関わる行為を分けて考えてみたらどうでしょうか。
e 結論はこれでいいでしょう。但し、サイエンスの重要性を示す論拠をあらかじめ示していないので説得力には乏しいです。

上記コメントと「解説」を参考にして答案を修正して下さい。

WIEで「合格圏外の答案」とされても、決して落ち込まないでください。実際、WIEの歴年の受講生には、初回は「合格圏外」とされても、見事志望校に合格された方々がたくさんいらっしゃいます。「出題意図を正確に把握した答案」を目指し、講座を進めていきましょう。

再提出される答案を心よりお待ちしています。


上記コメントを参考にして答案を修正し、再提出して下さい。

西早稲田教育研究所
担当 中島泰平

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