添削例(ビジネス文章講座)1

M・T様

・添削本文

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・添削コメント

全体のコメント

設問との整合性、基礎的な国語力の点では結構でしたが、無用な記述、回りくどい言い回しが見られました。文中、ノーコメントで削除または変更した箇所は、この問題によるものです。さらにより大きな問題は、文のテーマに必要でない内容が含まれていることです。詳しくは下記、個々のコメントをご覧下さい。


個別のコメント

X:冒頭で設問の問いに対する答えを手短に示すのは、基本的によい方法ですが、文章の最後尾と内容が重複するため、削除しました。 a:無用の内容です。述べるべきは「私の境遇」ではなく「私の業務」の変遷です。
b:持って回った表現です。簡潔に述べることが出来るにもかかわらず、わざわざ無意味な記述を連ねるのは、文の印象を大きく損ないます。これは、本来書くべき自分の主張や意見、またその論証が足りないために、無用な言葉を入れておいただけ、との印象を読み手に与えかねません。書くべき事柄は必要なだけ書き、無くてもかまわない=文意が変化しない事柄は一切書かない、これは論作文の大原則なのです。
Y:無用の内容を多数含んでいます。合併があったこと、その結果「すべてのことがゼロベースになったこと」以外は、業務の変遷と何ら関わりがありません。大幅に簡潔化すべきです。
c:意味不明な表現です。どのような現場での、誰と誰との関係なのかが明確ではありません。このような幅広い意味を持つ言葉を用いる場合、それをどのような意味で用いているのか、読み手に説明する義務があります。これを「概念規定」と言いますが、自分でも曖昧にしか捉えていない言葉を記しても、読み手にわかるはずがありません。「いや、自分ではわかっているのだ」ということかもしれませんが、論作文では、「書かれていないことは、考えなかったと同じ」なのです。
d:文脈がとぎれています。適切なつなぎの言葉(文法用語に言う「接続詞」だけではありません)を用いてくっつけることが必要です。観念(=「これを書こう」という思いつき)は他の観念と関連づけませんと、概念(=他の思いつきと結びつけられた、文中で取り上げたものごと)にはなりませんが、文もこれと同じで、おのおのの文が適切に結びつけられていなければ、文章にはなりません。従って、前の文あるいは段落と、後の文あるいは段落がどのような関係になっているかを、つなぎの言葉を用いて読み手にわかりやすく説明しなくてはならないのです。
 例えば、「今日は快晴だ。収入印紙を買う」という2つの文は脈絡がなく、文章とは言えません。しかし、「今日は快晴だ。(先日申請したパスポートを受け取りに行くには都合が良いので、そのための)収入印紙を買う。」ならば、2つの文の関係が見えるようにつながっていますから、文章といえるのです。
 このように、文同士、段落同士が適切につながって、一連の流れがあることを「文脈がつながっている」と言いますが、達意の文となるにはこの作業が不可欠なのです。
e:時系列の記述で大事な、「いつ」なのかの記述がありません。
f:主語が無く、意味が取れなくなっています。
 日本語文は主語が無くても文法的にはOKですが、それでも読み手に意図が伝わらなければ何にもなりません。記述の際は、常に「読み手はこれをどう受け取るだろうか?」との配慮が欠かせないのです。自分=書き手にはわかっていても、読み手には意味不明の事柄はたくさんありますが、安易に主語を省略すると、多くの場合この問題を引き起こしてしまいます。もちろん、前文と主語が同じである場合は、いちいち主語を入れると冗長になりますから、省略すべきです。しかし主語が入れ替わった、または主語が同じでも段落を改めた際は、主語を記す必要があるのです。
g:この補充がなければ、文脈がとぎれるだけでなく、何がターニングポイントだったか明記していないことになります。

以上です。コメントを参考に、再提出して下さい。


WIE西早稲田教育研究所
高田正継

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