将来予測とそれへの対応

昇進昇格試験

課題

 社内外の環境変化を踏まえ3年後に取り巻く環境がどのようになっているか、それに対して組織が取り組むべき課題は何か、また、課題を解決するための自分の役割について述べなさい。


文例案

 社内外の環境変化で最大のものは、○○部の主要顧客であるキャリア通信分野の伸び悩みである。この分野は今後3年間、大規模な需要は期待できない。一方、市場拡大につながる環境変化として、公共部門・民間企業双方に亘る勤労形態の見直しがある。特に働き方改革の進展によって、自宅など好きな場所で、好きな時間に働くといった勤務形態が増加している。これに対応したシステム提供は、今後の需要増加が期待できる。

 また、技術面で当社に大きな影響を与える環境変化となるものとして、スマートデバイスのさらなる普及拡大、人工知能(AI)の実用化と普及、第5世代移動通信システム(5G)の開発がある。

 この変化に対して、自部署が取り組むべき課題は、非キャリア分野における需要動向を把握し、それに対応した商品・サービスを開発・提供することである。その際、我が社が培ってきたノウハウを活かし、かつ新技術にも対応して、競合他社に対して優位に立たなければならない。

 私が注目するのは、音声技術である。大手電話会社を得意先としてきた自部門は、この点業界のトップにある。これを活かす具体的な動きとして、電話のISDN回線の廃止が近い将来あることから、各企業のISDN回線をIP化する事業がある。すでにここ数年で、何件かの受注、導入例がある。電話という音声技術が重要な分野なので、現在当社が優位に立っているが、今後はその優位を伸ばしていく。

 そのためには、顧客の要望を丁寧に聞き、分析することである。この第1の目的は、きめ細かな対応のためである。企業のIT環境は成熟段階にあり、電話のIP化は顧客が導入しているシステム全体との調和が重要になる。ここで確実に受注するには、顧客の状況に正確に対応する必要がある。

 さらに、顧客情報の分析により、市場動向の予想と新規需要の発掘ができる。IP 化が完了すれば、電話での大きな需要はなくなる。それだけに、現時点で顧客の状況を分析し、当社の側から次のソリューション企画を提案できるようにする。これで、競合他社の一歩先を行くことになる。

 この課題解決に向け、私自身、企業対応を進めている。その課程で、コミュニケーションの主が必ずしも人でなかったり、そのチャネルが電話だけでないことを目の当たりにした。ここから、新企画のヒントを得た。

 例えば、金融業界で営業マンがスマートフォンで、人間ではなくAIのロボットオペレターと連絡する。製薬業界でMRや関係医療機関との間で、5Gで可能になる大容量を駆使し、ビジュアル情報を共有したコミュニケーションを行うなどである。この中には、顧客側との概念実証にまでこぎ着けたものもある。

 今後も情報収集と、企画立案に尽力していく。併せて同僚・後輩とも問題意識を共有していく。私だけが社内外の環境変化に対応する課題解決を進めるのではなく、それを可能にする人材の育成をするためである。(1200字)

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