中途採用試験の解答例

採用試験応募書類(志望動機)

課題

私と仕事(作文)


文例案

 私にとっての仕事とは、単なる生活の資を得る手段ではない。それは、仕事を通じて出会った顧客に、彼らにとってもっとも有益な価値を提供することである。そして、その結果として私自身が社会から求められる人間になることが、理想である。いわば仕事は、私の社会に対する存在証明であり、生きがいでもある。それゆえ私の仕事は、社会に、より具体的にはその一員である顧客に、貢献が出来て初めて達成できたことになる。私は今後も仕事を通じて顧客に貢献を続け、自己実現を達成していきたい。

 このような考えは、学生時代の私にははまだ漠然としたものであった。当時は、仕事の社会的な意義には注目していたが、それは就職志望者への人気度や、マスコミにとりあげられる華やかさなどが関心の中心だった。そのため、大学卒業後最初に就職したのは、学生人気の高い広告代理店である○○であった。

 この○○時代、最初に配属された本社では、通信販売クライアントに向けて120秒の長尺テレビCM企画を提案した。その結果、この企画を採用したテレビ局の売り上げが前年対比120%を達成し、顧客から大変感謝された。顧客に価値を提供することの楽しさ、高揚感を初めて体験したのはこの時である。

 その後の××支社では、単に売り上げだけではなく、企画内容でも社会に貢献しようと考えた。そこで、新聞社と協業し「A企画」、「B企画」を実施した。これは経営的にも成功で、企画を採用した年の鹿児島支社、は売り上げを前年対比1,000万増となった。

 このように、広告代理店時代には、仕事を通じて顧客、さらには社会に貢献することの楽しさ、やりがいを感じるようになった。その一方で、広告代理店の仕事では、大きい金額が動く仕事ができたとしても、関わった人の人生に大きな影響を与えることはできないと考えるようなった。

 そこで、他者の人生に直接的な貢献ができる、生命保険業界で働きたいと思うようになった。そこで、生命保険業界に変革を起こす、という理念を掲げる△△社に注目し、転職した。ここでの配属先は××支社であったが、営業範囲は私の裁量で、日本全国どこでもよかった。また、新規開拓を中心に従事していたので、営業方針も私の判断に任せてもらえる部分が大きかった。

 そこで、思い込みや偏見を持っている顧客に対して、具体的な提案する前に、現在置かれている状況を詳しくヒアリングした。そして、それを十分盛り込んだ企画を用意した。実際の提案と相談の場では、生命保険という商品がどのようにお役に立てるのかをご理解、ご納得して頂けるかを常に意識して営業活動を行った。これは、私の仕事に関する考え方を具体化したものである。

 その結果、XX年YY月度××支社契約獲得件数トップとなるなど、いくつかの成果を挙げることができた。特に、弁護士を対象とする企画は私の得意分野であり、弁護士契約者数は、××支社トップを維持し続けている。ある弁護士事務所のように、勤務弁護士の7名中5名が顧客となっている例もある。

 こうした仕事を通じて、弁護士や経営者との面談を繰り返すうちに、私が社会に貢献できる分野は生命保険業界だけではないと考えるようになった。私の顧客たちの多くは、自分の事業承継について問題を抱えていることを知った。しかも、彼らとその事業は、地方経済・地方社会を支えるものである。これらの問題を解決する仕事ができれば、顧客はもとより地域社会、さらには日本全体に貢献できると思い、非常に強い興味を持った。

 このように考え出した矢先、業績が順調だと思われていた知り合いの社長が突然、会社を破産させ会社を売却した。その時点で私は、事業承継についてそれなりの勉強をしていたという自負があったが、事前に話を聞くことは一切なかった。また、その時に何も役に立てなかった自分にとても腹が立った。もし、御社のような企業で働いていれば、親しくしてくださった社長とその会社の皆さんの役に立つことができたのに、という思いがある。

 そして、日本の地方企業が抱える諸問題、とりわけ事業継承の問題を、この分野の日本におけるトップ企業である御社で働き、自らその解決に貢献したいと考えるにいたった。御社は、企業の「存続と発展」に貢献・中堅・中小企業の経営者の「後継者問題」といった企業理念を掲げられている。この点、大手銀行などが大企業間のM&Aを重視しているのとは異なる。また、自らの事業を「社会的公器」であるとしておられる。具体的な事業内容が私の問題意識と近いだけではなく、理念もまた私の仕事に対する考え方と完全に一致している。このような場で、私の持てる力を最大限発揮してみたい。知的でバイタリティーあふれる御社の社員とともに仕事ができる日が楽しみである。

 また私のこれまでの経験と知識は、必ず御社のお役に立つと確信している。すでに述べたように、現在親しくしていただいている方々の多くが、御社のよい顧客となるはずである。東京と地方では情報格差が存在しているため、地方の経営者は、御社の名前を知っていても、自分たちの抱える問題と御社の事業がどう関係するのか、知らない方が多い。私はこれら地方で活動している企業にも積極的に情報提供を行い貢献していきたい。

 かつての広告代理店時代や現在の生命保険会社で経験してきたように、御社の一員として、「あなたでよかった」と言ってもらえるような顧客のための仕事を行いたい。御社のように、中小企業を大切にし、顧客の構成に応じたきめ細かな解決策の提案をされる企業こそ、私の仕事に対する理想を実現してくれる。御社の一員となることで、顧客に対する最大の貢献ができ、ひいては今後慢性的な事業承継問題が発生する日本において、社会貢献ができる。(2382字)

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